年始特集:エネルギー代替供給源としての中東

  • 2023/01/05(木)

2022年の原油市場は、21年後半の上昇基調にウクライナ情勢の緊迫化による供給不安が加わる形で始まり、市況は前年以上の強勢を示した。実際にロシアがウクライナへの侵攻を開始すると、欧米をはじめとする需要側の国々はロシア産エネルギーを忌避する動きを示し、同国のエネルギーは制裁や購入回避という形で通常の取引から徐々に締め出されていった。一方で、この制限は消費側に代替供給源の確保という課題を与えたが、他の供給国は日量1,000万バレルを超える原油生産能力を持つロシアの代替となり得るだけの余力を持たない。国際エネルギー機関(IEA)は22年11月月報で石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟産油国で構成する「OPECプラス」の供給余力が日量300万バレルであると報告しているが、代替を必要とする各国はこのわずかな余剰分の取り合いに迫られると考えたのである1。一大エネルギー供給国であるロシアの紛争関与は市場に著しい動揺を与えたといえる。(日根大輔=ENEOS総研株式会社・エネルギー経済調査部)

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