- 2022/04/14(木)
- MEA | 中東情勢のビジネス講座 |
ロシアによるウクライナ侵攻は、本来イラン核合意とは関係のない話だ。しかし、3月初めのロシアの不可解な動きを受けて核交渉は一時停止している。さらに、米国内では核合意に反発する声も強まっており、交渉の行方は楽観視できない。(増野伊登=三井物産戦略研究所)
■露が制裁の適用除外要求
イラン核合意の再建を目指すウィーン協議は、英仏独中露を介したイランと米国との間接交渉という形で約1年にわたり続いてきた。交渉が妥結に向け大詰めを迎えていたとされる2月末、ロシアがウクライナに侵攻。石油の供給不安と価格高騰を受け、イラン産原油の重要性が改めて注目され始めたことで、欧米各国がイランとの合意をより一層急ぐのではないかとの観測が浮上した。
