第67回:コロナ禍における急な出国時の検討のポイント

  • 2021/12/23(木)

筆者はエチオピアの駐在員だが、本稿執筆時点ではケニアに滞在している。前回1月の本欄で混乱を懸念していたエチオピアの国政選挙を無事に終え、10月には国民議会の招集と組閣があり、いよいよ企業活動も回復に向かうかというタイミングに今回紹介する事態は起こった。旧政権下で主流派であったティグレ人民解放戦線(TPLF)は、現政権下では反政府勢力となっているが、政府との戦局が不透明になったことから一時出国を余儀なくされたのである。この機会に新型コロナウイルス禍で急ぎ出国が必要になる場合の検討ポイントを整理したい。(関隆夫=ジェトロ・アディスアベバ事務所長)

■突然の退避勧告も

2020年11月初めに勃発した軍事衝突は、雨季とその先の農繁期を迎えて21年6月末に政府が一方的に停戦を宣言していた。この間にTPLFは地元の北部ティグレ州で復権し、10月下旬以降はエチオピア北部から首都アディスアベバを目指して戦線の南下が伝えられ、11月に入ると全土で国家非常事態宣言が出た。そこからは米国を筆頭に反政府勢力による首都進攻を懸念する各国が自国民に早期の退避を呼び掛ける事態となった。日本政府も安全情報を順次引き上げて「新規の渡航中止勧告」、続いて「退避勧告」を呼び掛けた。ここで浮かび上がるのが「新型コロナ禍の渡航対応」と「緊急時の出国対応」の掛け算だ。

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