第38回:サヘルの過激派、仏軍撤退で拡大懸念=その指導者の謎の人物像

  • 2021/09/09(木)

サヘル(サハラ砂漠南縁部)のイスラム過激派について、何度か本稿で触れてきた。フランス軍が2013年以降、掃討作戦を展開してきたが、弱体化しないどころか、近年では活動範囲をさらに広げていることも紹介してきた。そんな中、フランスのマクロン大統領は6月、サヘルでの過激派掃討作戦を終わらせる意向を明らかにした。折しもアフガニスタンでイスラム主義組織タリバンが、米軍撤収を機にアフガニスタンの実権を掌握したばかり。サヘルの仏軍撤退も過激派のさらなる活発化につながらないか懸念される。サヘルの過激派とは何者か。キーパーソンの人物像から探ってみたい。(服部正法=毎日新聞欧州総局長、元アフリカ特派員)

■国またぎテロ活発化

まず、サヘルの状況をおさらいしてみる。12年に国際テロ組織アルカイダと連携する過激派がマリ北部を占領。13年1月に南進する動きを見せたところ、マリ政府が旧宗主国フランスに支援を要請し、仏軍が軍事介入した。仏軍はマリ政府軍などとともに掃討作戦を行い、マリ北部の都市部から過激派を追い出すことに成功。しかし、過激派は砂漠や山岳地帯に潜伏して、時折都市部に侵入してテロや襲撃を行うゲリラ戦術を展開し、完全鎮圧ができない状態となった。

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