第35回:コントラスト際立つ米中の中東政策

  • 2021/05/13(木)

米国は4月14日、アフガニスタンの駐留米軍を、北大西洋条約機構(NATO)加盟各国の連合軍と共に、9月11日までに完全撤退させると発表した。撤退自体はオバマ・トランプ両政権も打ち出していた方針ではあるが、中国の王毅外相による中東歴訪の直後だっただけに、中東から手を引きたい米国と、逆に関係強化に動く中国の対称的なスタンスが改めて浮き彫りになった。(増野伊登=三井物産戦略研究所)

■中露に注力したい米国

バイデン政権は、終わりの見えないアフガン内戦から撤退し、対中露戦略に注力したい。米同時多発テロから20年を迎えた節目の日を撤退完了の期限に設け、効果的な演出も狙った。もちろん、米国にとってドローンやサイバー戦などの遠隔攻撃が戦争の主力になりつつある今、地上部隊の全面撤退にどれほどの意味があるかは議論の余地がある。さらに、今回撤退するとされるNATO軍1万人弱のうち米軍は2,500~3,500人に過ぎないが、これは正規軍の数であって、米特殊部隊や、正規軍をはるかに上回る数の民間軍事会社の職員などがどうなるかは不明確だ。

関連記事

ページ上部へ戻る