- 2021/04/08(木)
- MEA | 中東情勢のビジネス講座 |
足元の中東情勢が、2020年1月に起きた米軍によるイラン革命防衛隊(IRGC)コッズ部隊・ソレイマニ司令官の殺害前の状況と似通った様相を呈している。情勢悪化の可能性を過度に心配すべきではないが、注意は必要だ。(増野伊登=三井物産戦略研究所)
■中東で相次ぐテロと報復の連鎖
19年は、アラブ首長国連邦(UAE)のフジャイラ港沖で5月にタンカー4隻が攻撃を受けたのを皮切りに、ペルシア湾、オマーン湾、紅海を航行するタンカーや、サウジアラビアの石油関連施設へのテロが相次ぎ、同年末にはイラクで米軍基地や米大使館が攻撃された。米国とイスラエルは、これら一連の事件にイランが直接的に、あるいは代理勢力を介して間接的に関与していると考え、シリアで活動する親イラン武装勢力を掃討するための空爆を行うなど、米・イスラエルとイランの間の緊張は高まっていた。
