アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国の建設最大手アラブテック(Arabtec)は9月30日の株主総会で、事業清算手続き入りの承認を得たもようだ。新型コロナウイルスの影響で財務状態が悪化したため。社内向けの電子メールを元に、ロイター通信が伝えた。 それによると、同社は「残念ながら、事業環境が悪化する中、財務状態が立ち行かなくなったため、アラブテックの株主は事業清算および会社解散の計画を承認した」と説明している。株主総会では、米経営コンサルティング会社アリックスパートナーズ(AlixPartners)を管財人に指名することも承認されたという。 アラブテックは、新型コロナ感染拡大によるプロジェクトの遅延を受け、追加コストが膨らんでいた。上半期(1~6月)には7億9,400万ディルハム(2億1,600万ドル)の赤字を計上し、累積赤字は14億6,000万ディルハムに拡大。UAE会社法では、累積赤字が発行済み株式の時価総額の50%を超えると、事業継続の是非を株主に問うことが義務付けられていることから、株主総会を招集した。 UAEでは新型コロナ危機による原油価格の下落を受け、エネルギー業界や建設業界の企業財務が悪化。一部の企業は債務の再編に取り組んでおり、ドバイ首長国の建設会社ドレイク・アンド・スカル・インターナショナル(DSI)は現在、破産法に基づく債権団との示談交渉を行っている。