第29回:国交正常化に踏み切ったUAEの狙い

  • 2020/09/17(木)

アラブ首長国連邦(UAE)とイスラエルは8月13日、米国の仲介により、国交を正常化することで合意したと発表した。すでに実態としては接近を強めていた湾岸アラブ諸国とイスラエルだが、今回の合意を皮切りに、両者間の距離はますます縮まるだろう。(増野伊登=三井物産戦略研究所)

■UAEの狙い

アラブ地域では、パレスチナ人の権利を回復すべきという意味の「パレスチナの大義」という言葉がある。しかし、長らく地域共通の政治課題であったパレスチナ問題への関心は希薄化している。UAEにとっては、地域の大国であるイランやトルコへの対応や、イスラム過激派勢力の封じ込めの方がより喫緊の課題だ。自国の安全保障体制を強化するため、UAEが米・イスラエルとの関係深化を図ることは不思議なことではない。トランプ米大統領は8月19日、UAEへの米ステルス戦闘機「F35」の売却を示唆しており、実現すれば、地域でのUAEの軍事的優位性は高まるだろう。

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