第50回:トルコの追加関税措置について

  • 2020/07/30(木)

トルコ経済は、宿痾(しゅくあ)ともいうべき経常赤字の問題を抱えている。最大の要因が貿易赤字だが、トルコ政府は長年にわたって自由貿易協定(FTA)展開を通じた輸出市場開拓、投資誘致策拡充による生産拠点の誘致で問題の克服を試みてきた。しかし近年、追加関税措置の頻発など保護貿易的な傾向が見られるようになっている。(中島敏博=ジェトロ・イスタンブール事務所調査担当ディレクター)

■追加関税措置の急増

新型コロナウイルス感染は、トルコでも想定外の規模で拡大したが、輸出を生命線とする同国は「生産の継続」を確保すべく、ロックダウン(都市封鎖)を週末に限定するなど、ビジネスへの影響を最小限に抑える方向性を示した。そして、トルコ政府は、国内産業保護を目的に、コロナショック以降だけで5回もの追加関税措置を頻発させた。これは通常の関税に加え、原則全ての国に対して追加関税を課す制度で、事前通告なく即日発効で10~30%もの追加関税を課しているケースが多い。世界貿易機関(WTO)協定に抵触しないとはいえ、これでは企業側の対応は後手に回ってしまう。

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