第25回:OPECプラスによる減産合意の背景 

  • 2020/05/21(木)

石油輸出国機構(OPEC)加盟国と非加盟産油国で構成する「OPECプラス」は5月1日、日量970万バレルの協調減産を開始した。3月6日の減産交渉の決裂で、OPECプラスを主導するサウジアラビアとロシアは価格競争に突入したばかりだ。にもかかわらず、4月12日には、それまでの減産目標の約5倍にも上る史上最大の減産で合意した。その背景には、新型コロナウイルスの感染拡大による石油需要の低迷に加え、原油貯蔵能力の不足に対する危機感があった。(増野伊登=三井物産戦略研究所)

■さらなる価格下落と需要減
そもそもサウジは、追加減産を拒否したロシアに対し水面下で再考を迫っていたとみられ、3月10日の増産発表で自ら原油安に拍車をかけたのも、ロシアを交渉の席に着かせるためだったと考えられる。対するロシアは、原油価格が1バレル当たり25~30ドルの水準でも、6~10年は対応できると強気だったが、3月31日にブレント原油先物が22.74ドルまで急落したことで、否応なく再考を迫られた。これ以上の原油価格の下落は、ロシアとしても避けたいところだろう。

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