第21回:内憂外患の絶えないイラン

  • 2020/02/06(木)

イランは1月8日、米軍によるイラン革命防衛隊(IRGC)コッズ部隊のソレイマニ司令官の殺害に対する報復措置として、イラクの米軍基地2カ所に対するミサイル攻撃に踏み切った。イランは米国との緊張関係の高まりだけでなく、崩壊の瀬戸際にある核合意、国内の反政府デモなどの対応に追われており、まさに「内憂外患」が絶えない状況だ。(増野伊登=三井物産戦略研究所)

■回避された正面衝突
米軍基地攻撃を巡り重要なのは、トランプ大統領が攻撃後に行ったホワイトハウスでの演説で、死者が出なかったことを強調し、反撃の意向を示さなかったことだ。これによりイラン政府は、国内にアピールできる程度に報復を達成したと同時に、勝ち目のない米国との正面衝突も避けられたことになる。イラン市民からは、ソレイマニ司令官の死を悼む声はもちろん聞かれるが、自制を求める声も多い。厭戦(えんせん)ムードが漂う国内の状況を考えれば、イランが米国に対してさらなる攻撃を仕掛け、自ら事態のエスカレーションを招くことは考えにくい。

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