第18回:反政府デモから見えてくるエジプトの強みと課題

  • 2019/11/07(木)

エジプトで9月20日に発生した反政府デモから1カ月以上が経過した。シシ政権が2014年に発足して以降初めての表立ったデモであり、複数都市に飛び火したことから、大手メディアはその動向を大きく取り上げた。しかし、エジプト当局の取り締まりが直ちに強化されたことに加え、明確な指導者が不在だったこともあり、数週間で混乱は収束。市民生活にも大きな影響は出なかったという。そのため、今回の反政府デモは、エジプトの投資先としての地位を著しく低下させるような影響は及ぼしていない。(増野伊登=三井物産戦略研究所)

■堅固なマクロ経済指標
米信用格付け会社ムーディーズ・インベスターズ・サービスは、デモ発生後の9月30日に発表した報告書で、エジプトの国内総生産(GDP)成長率を、2019年は5.6%、2020年は5.8%とし、堅調に推移するとみている。エジプト政府は2016年以降、国際通貨基金(IMF)の勧告に従い、各種補助金の段階的削減や付加価値税(VAT)の導入などを実施しており、財政赤字の対GDP比率は縮小している(図1)。この他、外貨準備高の増加、インフレ率の安定化、失業率の低下など、マクロ経済指標は改善傾向にある。

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