第17回:イスラム過激派の資金源となる「二重課税」=ソマリア

  • 2019/09/19(木)

「アフリカの角」に位置するソマリアで続く紛争は一向に終わりが見えない。紛争の基本構図は「ソマリア政府VSイスラム過激派アルシャバブ」だが、政府側には周辺国の軍で形成されるアフリカ連合(AU)平和維持部隊が支援するのに加え、米軍がアルシャバブに対するドローン攻撃を強めている。それなのにアルシャバブは、むしろ今年に入って攻撃力を増している様子だ。なぜアルシャバブは弱体化しないのか。背景には彼らの資金力がある。(服部正法=毎日新聞欧州総局長、前アフリカ特派員)
■一時衰退も勢力を取り戻すアルシャバブ
ソマリアでは冷戦期、シアド・バーレ大統領による長期独裁政権が君臨したが、1991年に政権崩壊し内戦に突入。以後、30年近く紛争状態が続いている。内戦勃発当初は軍閥が各地で割拠して勢力圏を競い合う、日本の戦国時代に似た状況だったが、2006年にイスラム原理主義勢力がいったん首都モガディシオを制圧し、秩序を回復した。しかし、原理主義勢力と国際テロ組織アルカイダとの関係を疑った米国が、原理主義勢力による支配の継続を懸念。米国の後ろ盾を受けた隣国エチオピアがソマリアに侵攻、原理主義勢力を首都から追い出した。ところが、同勢力から分かれた一部の過激派にアラブ人などの過激主義者らが加わった武装組織がその後、勢いを増し、ソマリア南部の広域を実効支配するようになった。これがアルシャバブだ。アルカイダとの統合も宣言したアルシャバブは2008~2011年には首都の一部も制圧。その後、AU部隊と政府軍に掃討されて首都から撤退し、2014年には米軍の空爆で最高指導者が殺害されるなど、一時は弱体化も指摘され、命脈が尽きるのも近いかと思われた。

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