第14回:政情不安のスーダンで進む中東のパワーゲーム

  • 2019/06/20(木)

本欄で今年1月、スーダン・バシル政権への抗議デモについて書いた。その段階では政権崩壊につながるかは不明だったが、4月になってデモに背中を押されるように軍がクーデターを起こし、バシル大統領は解任された。しかし、その後も混乱は収拾していない。実権を掌握した暫定軍事評議会に対し、民主化を望む市民の抗議行動が続いているからだ。一方、混乱の裏側で、周辺の地域大国によるパワーゲームが水面下で進行している気配がある。(服部正法=毎日新聞欧州総局長、前アフリカ特派員)

■バシル政権崩壊後も続く混乱

バシル氏は1989年に軍事クーデターによって政権を崩壊させ、後に大統領に就任。以後30年間、国のトップに君臨した。この間、ウサマ・ビンラディン容疑者(2011年に米軍が殺害)に国内滞在を一時許し、国際テロ組織アルカイダの拠点化を容認したことなどから、米国に「テロ支援国家」に指定された。また、西部ダルフール(Darfur)地方での紛争で、国際刑事裁判所(ICC)から戦争犯罪などの罪で逮捕状を出され、世界的に強い批判を受けてきた指導者だった。

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