第23回:MENAにおける産地形成と植民地型産業構造からの脱却

  • 2019/06/13(木)

小農や小規模・零細企業が生産の主体となる途上国の産業では、原材料や中間投入財の供給が生産活動の中心となり、最終製品の生産と輸出は後れを取っていることがしばしば見受けられる。中東・北アフリカ(MENA)の食料産業や繊維産業はその典型例であり、農家を含む川上の生産者は、付加価値の低い素材や原材料を安く大量に生産できるものの、川下における高付加価値製品の生産と輸出は、外国の生産者が担うというサプライチェーンが展開されていることがある。具体的には、チュニジアやモロッコの精油業(オリーブオイルやアルガンオイル)、エジプトの原綿栽培・繊維産業などが該当する。良質の優れた素材はあるものの、地場産業の育成や特徴を持った産地形成は遅れており、植民地経済にも似た産業構造が残存する。このような産業構造から脱却し、革新的な産地を形成するためにはどのような条件が必要なのであろうか。(柏木健一=筑波大学人文社会系准教授)

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