第44回:成長ポテンシャル秘めた「紛争地」イラク

  • 2019/04/18(木)

イラクというと、数年前に国土の一部を暴力的に支配した「イスラム国(IS)」やさらに前に生じた湾岸戦争などのイメージが強く、ビジネスの対象としてその経済的側面を意識することは少ないかもしれない。その将来性も展望しつつ、政治・経済の近況を紹介したい。(吉田悦章=京都大学特任准教授)

イラクの経済的将来性を展望して事業を進めている、あるいは検討しているという日本企業の数は極めて少ないだろう。上述したイメージに加え、石油を除けば目立った産業もなく、さらにテロの発生件数の多さからみて治安の面でも不安定な状況が続いている。一方、上述のIS問題が発生する前には、4,000万人弱に達する人口の多さや出遅れた経済発展のポテンシャルを捉え、インフラ事業や機器販売に関心を示す日本企業もそれなりにみられた。同問題でこうした機運は一気に消滅し、事態が大方終息に向かった2017年の9月に同国北部のクルド住民による独立を問う投票が実施されると、国際社会を巻き込んで非難を浴び、内政は大きく混乱した。

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