第20回:中東・北アフリカ諸国における テロ事件の発生と観光客の動向

  • 2019/02/21(木)

2011年のアラブ革命「アラブの春」発生後、中東・北アフリカ諸国(MENA)における治安は不安定化しており、観光客の客足に大きな影響を与えている。革命が起こったチュニジアやエジプト、リビアでは、革命前は権威主義体制下で徹底した治安維持が行われており、テロの発生は散発的であった。ところが、革命後は政府の治安維持能力が低下し、テロが急増している。また、イスラム過激派組織「イスラム国(IS)」に呼応した過激派勢力やISに送り出した戦闘員や過激思想に共鳴した個人や組織によるテロも散発的に起こった。これらの国を訪れる観光客数は、革命そのものの影響とその後のテロ事件発生によって減少した。ただ、内戦状態にあるシリアやリビア、イエメン、イラクを除けば、MENA諸国の観光客数はむしろ増加しており、チュニジアでは観光客は革命前の水準に回復しつつある。(柏木健一=筑波大学人文社会系准教授)

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