年始特集:米国のイラン核合意離脱の経済・ビジネスへの影響

  • 2019/01/03(木)

2018年のイランにおけるビジネス環境は、米国の核合意離脱と対イラン制裁の全面復活という大きな揺り戻しを経験した。制裁運用の不透明感が以前にも増して委縮効果を高め、多くの企業にイラン事業を断念させている。米国以外の国々はイランとの経済関係維持を志向するが、限られた相手との取引だけではイランが核合意維持の利益を納得するには不十分である。外部環境の変化を受けたイラン国内政治の潮流の変化も、今後のイラン事業環境を左右する。(寺中純子=一般財団法人海外投融資情報財団上席主任研究員)
米政府は、イランに対して最大限の圧力を加える旨を繰り返し強調し、イランへの送金ルートを防ぐ手立てを各方面から従来以上に厳しく講じている。しかし米政府は、制裁措置そのものより姿勢の厳しさを見せることで効果を引き出そうとしている面もあるようにみえる。例えば、11月に再び制裁指定されたイラン金融機関のうち10行以上は二次制裁の対象にならなかった。事前の米財務省の説明では、ほとんどが二次制裁の対象になるとされていた。また同じく11月、米国務省は日本を含む8カ国に対してイラン原油の輸入継続を暫定的に認めたが、8月の大統領令では、そのような例外は認めないと明記していた。

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