第30回:米国の対イラン経済制裁再開後の イラン経済の状況

  • 2018/11/29(木)

今年5月8日、米国はイランの核問題に関する包括的合同作業計画(JCPOA)からの離脱、そしてイランに対する制裁再開を発表した。8月からは自動車分野などが制裁対象となり、11月5日には、石油、金融、保険分野などを対象とした第2段階の制裁も再開した。その影響は既に出始めており、ここ数カ月のイランへの輸入は減少傾向にある。一足先に制裁対象分野となった自動車分野は大幅に縮小している。原油輸出についても、これまで日量240万バレル前後の水準だったが、9月には163万バレルまで落ち込んだとの報道も出ている。(中村志信=ジェトロ・テヘラン事務所長)

こうした中、イラン政府の経済・金融政策は上手くかみ合っていない。同政府は米国による対イラン制裁に対抗すべく、外貨の国外流出を防ぐことを目的として1,339品目の輸入禁止を発表した。しかし、これには自動車(完成車)や日用品なども含まれており、また突然の発表であったことから、国内経済は大いに混乱した。これに先立つ4月9日には二重為替の統一化を図ったものの、結果、従来二つだった為替レートが11月頭時点で五つ存在している。さらに制裁再開を受けて、猛烈な現地通貨安が進み、レート差の乖離(かいり)も拡大した。

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