第18回:パレスチナ問題における土地と水の争い

  • 2018/11/15(木)

トランプ米大統領は5月、在イスラエル大使館をテルアビブからエルサレムに移転した。このことは国際社会、中でもアラブ諸国やイスラム諸国にとっては衝撃であった。これは、昨年12月に米国がエルサレムをイスラエルの首都と認定したことを受けた措置で、イスラエルによるパレスチナの占領を容認する姿勢を示すことにつながったからである。また、今年9月には在米パレスチナ代表部が閉鎖された。現在の米国の対中東政策は、クリントン政権やオバマ政権時に比べ、パレスチナ側に厳しい状況にあり、パレスチナ問題や中東和平の見通しは極めて不透明である。このパレスチナ問題は、1948年のイスラエル建国に端を発するアラブ系パレスチナ人とユダヤ系イスラエル人の対立である。また、社会経済的視点からは、両者による「土地」と「水」という希少な資源を巡る争いである。この争いはパレスチナの住民の生活に直結する問題であり、エルサレム問題と同じく、中東・北アフリカ(MENA)の重要課題である。(柏木健一=筑波大学人文社会系准教授)

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