第13回:レンティア国家論および 国家と国民の暗黙裡の社会契約

  • 2018/05/24(木)

中東・北アフリカ(MENA)の産油国の統治体制を表す際に、「レンティア国家」という言葉が使われることがある(H. Beblawi and G. Luciani, The Rentier State, (1987) , New York: Croom Helm)。「レンティア(rentier)」は、不労所得生活者を意味し、「レント(rent)」は、地代や賃料、土地収益と訳される。「レンティア国家」論では、レントは原油・石油輸出による収入を意味し、「レンティア国家」とは、石油輸出に依存して成立している政治経済システムのことを示す。具体的には、湾岸協力会議(GCC)諸国などのことを指しており、その体制は、1970年代の2度の石油ブームによって確立されていった。ただし、レントに依存した構造は、MENAの非産油国にも当てはまる。非産油国でも、レント配分を通じて国家と国民の間に「暗黙裡の社会契約」が成立していると考えられ、これが体制の安定を長期的に維持する仕組みとなっているからである。(柏木健一=筑波大学人文社会系准教授)

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