第11回:モロッコにおける地場産業の育成 :アルガン精油業

  • 2018/03/08(木)

モロッコ経済を支える主要産業の一つは農業であるが、中でもアルガンオイルの生産は農村での生活を支える伝統的生業である。アルガンは、アーモンドのような実が採れるモロッコ固有の植物であり、その精油はモロッコ南西部のアガディール県やエッサウィラ県農村部で主に見られる。アルガン林の面積は全体で約86万7,000ヘクタールで、年間2,500トンから4,000トンほどのアルガンオイルが精製されている。アルガンの木は乾燥に強く、限界乾燥地でも生息することができ、アガディール県南部の山岳地帯では、アルガン林を除けば荒れ野が広がるのみである。アルガンの木は、1998年に国際連合教育科学文化機関(UNESCO)による生物圏保存地域に登録されたが、過放牧、干ばつ、実の乱獲などにより、近年600ヘクタールが毎年消失しているといわれている。アルガンオイルはモロッコのお土産として有名であり、その希少性と美容・健康面での有用性から近年注目されている。(柏木健一=筑波大学人文社会系准教授)

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