アブダビの大手2行、合併で合意

  • 2016/07/07(木)
アラブ首長国連邦(UAE)アブダビ首長国の最大手銀行、アブダビ国立銀行(NBAD)と3位のファースト・ガルフ銀行(FGB)は1日、合併することで合意したと発表した。実現した場合の資産総額は6,420億ディルハム(1,750億ドル)と、中東・アフリカ地域で首位に立つ。 NBADはFGB株1株につき自社株1.254株を割り当てる。これに伴い、NBADは56億4,300万株の新株を発行する。合併後の出資比率はFGBの株主が52%、NBAD側が48%となる予定で、アブダビ投資会社(ADIC)が33.2%、国営投資会社ムバダラ・デベロップメントが3.7%をそれぞれ保有することになる。両行は合併により、年間5億ディルハムのシナジー効果を見込んでいる。 取引実現にはNBADとFGBの株主のほか、UAE中央銀行や各国競争当局の承認を必要とする。両行は2017年第1四半期(1~3月)の手続き完了を目指すとしている。 UAEでは現在、長引く原油安を踏まえ、石油収入に依存した経済運営を見直す取り組みが進められており、アブダビ政府との結び付きが深い両行の統合もこの一環。同国では政府支出の縮小や世界的な資本規制の厳格化といった逆風下で50行以上もの銀行が競合していることから、市場では両行の合併が業界再編の引き金となるとの見方が強い。

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